肝臓病になった犬猫のためのペット救急箱

ペットを肝臓病から守りたい!肝臓と上手につき合っていくための百科事典

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肝不全

このページでは、犬と猫がかかりやすい肝臓病のなかでも、特に恐ろしいといわれる「肝不全」について解説します。

ちなみに、肝不全の症状や原因、治療方法は、犬も猫も同じです。

肝不全とは?

肝不全とは、肝臓に重度の障害がおこり、肝機能が停止してしまう病気です。

一般的に、肝臓の機能は、20%以上稼働していれば問題ないといわれています。ですが、肝不全になると、肝機能の働きが20%以下になります。

つまり、犬や猫の体に入ってしまった毒素を解毒する機能をはじめ、栄養素の貯蔵や代謝、血液の循環機能が全て使えなくなるということ。そのため、肝不全になると命の危険に直結します。

肝不全の原因は?

肝不全の原因は主に3つに分類されます。

先天性

代表的な症状が、犬に起こりやすい「門脈シャント」。不要な血管があることで、本来は肝臓を通って毒素を無害化されるはずの血液が、無害化されないまま全身を巡ってしまう病気です。アンモニアをはじめとした有害物質を含んだ血液が全身を循環。肝機能障害や尿道閉塞などの症状や、神経にも影響して肝性脳症の引き金になる可能性もあるため、放置できない病気です。

犬や猫の肝不全では薬物治療がメインになりますが、「門脈シャント」では外科手術で治療を行います。

慢性

数カ月から数年単位の長い時間をかけて少しずつ進行していく場合、慢性的な誤った食生活や長期的な薬物治療が原因だと考えられます。

ペットフードやおやつに添加物が多く含まれていると、肝臓の機能が徐々に低下。そのため飼い主さんは愛するペットの口に入るものに健康を害する成分が含まれていないか、チェックする必要があるのです。

また長期的な薬物治療も、肝臓がダメージを受ける原因とされます。肝臓へ障害を引き起こす原因となりやすい薬物は、コルチコステロイドや抗生物質、抗てんかん薬など。

基本的に、薬物の副作用により幹細胞が壊れてしまっても、多くは肝臓自身が持つ再生能力で正常な状態へと戻ります。しかし再生を何度も繰り返すと、細胞組織が異常なほど増殖してしまい、肝機能の働きが弱まることに。慢性的なダメージは慢性肝炎・肝硬変といった病気を引き起こしますが、さらに進行すると肝不全にいたるのです。

急性

数日から数週間で急速に状態が悪化する急性肝不全。原因は事故や病気、中毒など多く考えられますが、ウイルスや細菌から感染することも少なくありません。

犬アデノウイルスI型

犬同士で感染する病気で、ウイルスを保有した犬の涙や鼻水、唾液などを舐めたり触れたりすると感染。強いウイルスで、感染後に回復しても体内で生き続けます。発症すると完治が難しく、慢性肝炎や脳炎などより深刻な症状を引き起こすこともある危険なウイルスです。

レプトスピラ症

動物同士だけでなく人にも感染し、命を奪う可能性のある危険な病気。ウイルスに感染したネズミや犬などの尿、また尿で汚染された土や水に接触することで感染します。必ず何らかの症状が現れる、というわけではなりませんが、肝障害や急性腎不全に繋がる可能性を持ったウイルスです。

肝不全の症状

ここでは初期から重篤な状態までの肝不全の症状についてまとめました。

初期症状

食欲の低下や嘔吐、体重が減るといった症状が見られます。しかし他の病気でも見られやすい症状なので、食欲が落ちただけで肝不全だと気付くのは難しいでしょう。

また元気がなくなり、落ち込んでいるように見えるのも肝不全の初期症状のひとつ。下痢やそれまでとは違う黒い色の便が出るなど、排せつに関する症状も見られます。

進行するにつれて見られる症状

肝不全が進行する中でわかりやすい症状が黄疸。人間と違い全身を毛で覆われている犬・猫の皮膚は確認が難しいので、白目の色が黄色く変わっていないかチェックするのが良いでしょう。

重篤になると、お腹に水がたまる「腹水」という症状や、血尿・血便が見られることも。また肝性脳症を引き起こしてしまうと、見当識障害やけいれん、酷い場合には昏睡状態にいたる可能性もあります。

肝不全の治療法は?

外科手術

とくに犬に見られる先天性の門脈シャントは、外科手術で回復を目指すのが一般的。シャントと呼ばれる、解毒前の血液を全身へ巡らせてしまう異常な血管を遮断するために、「コンストリクター」と呼ばれる器具を使用して封鎖して血液の循環を正常なものにします。ただし全ての犬が受けられる手術ではなく、シャント血管の位置や犬自身の体調によっては受けられない可能性も。内科手術では完治できないため、発見次第すぐに手術を受けることが必要です。

また肝不全の症状が進行して肝臓の中に膿が溜まってしまった場合に行うのが、肝臓の一部を切除する手術。一度の手術で膿が取り切れなかった場合には、カテーテルを通して膿を数回にわけて除去します。

薬物治療

肝不全の症状は肝機能障害が重度の状態まで進んでから気付くことが多いもの。異変を察して診察を受ける頃には、もはや本来持っている再生機能で機能を回復させることは難しい状態であることが多いです。

そのため回復を目指すと言うよりも、痛みの軽減や生命維持を目的に鎮痛剤・食欲増進剤といった薬物を投与します。

また肝機能が正常に働かない場合は体内の毒素を無害な尿素へ変える力も弱まるので、アンモニアを吸収させないように抗生物質を使用。お腹に液体が溜まる「腹水」を防ぐためには利尿剤を使います。

ペットの症状を診て状況に合った薬物を投与する薬物治療。完治が難しいため一生涯続けなければならない大変な治療です。しかし薬物の投与が長期間に及ぶと、副作用が生じる可能性も。治療が負担になっていると判断された時には摂取量を最小限に抑える必要が生じます。

副作用が出ていなくても、適切な治療を進めるために定期的な血液検査を行い、肝臓への影響を確認する必要が。治療費や通院といった負担が、ペットと飼い主にのしかかります。

肝不全を予防する為に

初期症状が「食欲不振」や「元気がない」などありふれた症状であるだけに、なかなか気づきにくい肝不全。異変に気付いた頃には完治が難しい状態だった…というケースも少なくありません。早期発見や治療よりも、肝不全にならないよう飼い主さんが予防に力を入れてあげることが重要です。

飼い主さんに出来る1番の予防策は、食事に気を付けること。有害物質が含まれていないか、量は多すぎないかを常に意識してください。また予防効果のある健康成分を与えることも大切です。しかし市販のペットフードだけでは十分な栄養素を取るのは難しいもの。ニカショウエキスやβ-Dグルカンなど、肝臓に良いとされる成分が配合されたペット用のサプリメントを食べさせるのが良いかもしれません。

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