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慢性肝炎・急性肝炎

このページでは、犬と猫の「慢性肝炎」「急性肝炎」の原因や症状、治療方法を紹介します。

犬と猫、どちらも症状や原因、治療方法は同じです。ただ、猫は体が小さいぶん、症状が急激に悪くなることがあります。すでに発症している場合でも、これ以上悪化しないように、よく観察してあげてくださいね。

慢性肝炎の原因・症状・治療法

肝臓が、ひんぱんに炎症をおこす状態を「慢性肝炎」といいます。ウイルスや細菌感染による急性肝炎が慢性化してしまったり、毒物や異物による中毒になったりすると、慢性肝炎を引き起こしてしまいます。

犬の場合、遺伝する可能性が高い犬種がいます。もしあなたのペットが以下の犬種なら、より注意してください。

慢性肝炎が遺伝しやすい犬種

  • アメリカンコッカースパニエル
  • ラブラドールレトリバー
  • スカイテリア
  • イングリッシュコッカースパニエル
  • ベドリントンテリア
  • ドーベルマン
  • スタンダードプードル

慢性肝炎になると、食欲不振・おう吐や下痢・腹水・黄疸といった症状があらわれます。

治療法は、対処療法が中心です。輸液や栄養補給を行い安静にさせるほか、食事療法も行われます。症状が軽くなることを目的として、これ以上悪化させないための治療をすすめましょう。

お腹に水がたまってしまう腹水を発症している場合は、利尿剤を投与。排尿によって症状を緩和させますが、それでも治らないときには注射器で、直接お腹にたまった水を抜き取ります。

服薬をすすめる獣医さんも多く、抗酸化剤・亜鉛・銅キレート剤・免疫抑制剤・抗線維化物質などを投与することもあります。

急性肝炎の原因・症状・治療法

急性肝炎になると、慢性肝炎と同じような食欲不振・おう吐のほか、昏睡状態になる・けいれんするといった症状がみられます。

原因は、大きく分けると「化膿性肝炎」「肉芽腫性肝炎」の2つにわけられます。

化膿性肝炎は、傷口から侵入した化膿性の細菌が免疫反応をおこし、膿がたまることが原因です。

肉芽腫性肝炎は、ヒストプラズマ・ブラストミセス・コクシジオイデス・ピシウム・ブルセラ・ミコバクテリア・バルトネラ属などの細菌に感染した場合や、肝吸虫やフィラリアなどの寄生虫によって引き起こされます。

急性肝炎を治療するには、輸液と抗生物質の投与を行い、栄養補給をして安静にする、食事療法を行うなどの対処療法を行います。症状を軽減させながら、ペット自身の自然治癒力によって回復するのを待つので、すぐに治してあげることは難しいでしょう。

【犬特有の病気】門脈・体循環シャントとは

門脈体循環(もんみゃく-たいじゅんかん)シャントとは、胃腸から肝臓に流れる血液が、異常な血管(シャント)に流れてしまい、肝臓で解毒されないまま体中に流れる病気です。

アンモニアやメルカプトン、短鎖脂肪酸などの有害な毒素が分解されないまま全身を巡ることにより、さまざまな臓器にダメージを与えてしまいます。

原因は、先天性と後天性があり、先天性の多くは遺伝です。

門脈体循環シャントが遺伝・発症しやすい犬種

  • ヨークシャーテリア
  • ケアーンテリア
  • マルチーズ
  • ミニチュアシュナウザー
  • アイリッシュウルフハウンド
  • オールドイングリッシュシープドッグ

一方、後天性は、胃腸と肝臓を結ぶ門脈に過度の血圧がかかり、血圧が上昇してしまうのが主な原因です。

慢性肝炎や胆管閉塞、肝硬変などを発症すると、門脈体循環シャントをひき起こしやすくなります。遺伝しやすい犬種でなくても、異常を感じたらすぐに動物病院に連れていくようにしてくださいね。