肝臓病になった犬猫のためのペット救急箱

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脂肪肝

このページでは、犬と猫の「脂肪肝」という肝臓病について解説します。

脂肪肝の症状・原因・治療法を知り、これ以上悪化しないように、ベストな治療を受けさせてあげましょう。

犬の脂肪肝と治療法について
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猫の脂肪肝と治療法について
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脂肪肝とは?

脂肪肝とは、犬や猫だけでなく人間も発症する病気で、肝臓がフォアグラのようになる病気です。

そもそも、普段の食事で摂取した脂肪は、腸から吸収されて「脂肪酸」になります。
その後、血中のたんぱく質(アルブミン)によって、肝臓へと運ばれ、エネルギーとして消費されない脂肪酸は、TG(トリグリセリド)として肝臓に蓄積されるのです。

通常は、TGとアポプロテインというたんぱく質が結合し、再び血中へ流れるので、肝臓に脂肪がたまることはありません。ところが、送り込まれる脂肪酸が多すぎるとたんぱく質との結合が間にあわず、肝臓に脂肪が蓄積してしまいます。

脂肪肝になると、全ての肝細胞が脂肪に置きかわって消滅します。結果、肝細胞を支えていた繊維質の細胞だけが残り「肝硬変」を引き起こすことに…。

犬の脂肪肝と治療法

犬が脂肪肝になる原因のほとんどが、食事のバランスです。ほしがるだけエサやおやつを与えたり、脂質の多いごはんばかり与えたりすると、脂肪酸の循環が異常をきたし、肝細胞に脂肪酸が溜まってしまいます。

脂肪肝のやっかいなところは、末期状態にならないと症状がわからない点です。

犬が脂肪肝になったときの症状

  • ごはんを食べない
  • 何度もおう吐している
  • 下痢が続いている
  • 黄疸が出ている(皮膚が黄色になった)

脂肪肝になってしまった犬は、肝硬変になる直前、もしくは肝硬変になってから飼い主さんが症状に気づき、病院へ連れていくことがほとんどです。そのため、脂肪肝と肝硬変の治療方法はほとんど変わりません。

太った犬が体脂肪からエネルギー補給をしてしまうと、脂肪酸のバランスがくずれてしまい、さらに脂肪肝が悪化してしまいます。
そこで、点滴や強制給仕でグルコースをエネルギーとして投与し、体脂肪からエネルギーを補給させないようにする「支持療法」を治療として行うのが一般的です。

ただ、脂肪肝が悪化した結果、肝硬変になってしまうと、残念ながら余命はそう長くはありません。支持療法でも目に見えた回復は期待できないため、予防が大切な病気だといえます。

猫の脂肪肝と治療法

猫の場合、脂肪肝のことを「肝リピドーシス」と呼びますが、基本的には犬の脂肪肝と同じです。

肝リピドーシスは、太り気味で中年層の猫が、発症しやすいといわれています。もし、ぽっちゃりした猫が、何日もごはんを食べないときは、脂肪肝を疑いましょう。

猫が脂肪肝になったときの症状

  • 食欲がなく、好物にも興味を持たない
  • 吐き気がある
  • 便がゆるい
  • 皮膚の色や歯茎が黄色い(黄疸)

また、猫は性格的にナーバスな個体が多いため、新しいお家や飼い主さんが変わったなどのストレスで、食事を取らない・ホルモンのバランスがくずれやすいといわれています。環境が大きく変わると肝リピドーシスを発症しやすいので、より注意が必要です。

肝リピドーシスになると、必須アミノ酸をはじめとした各種栄養素の補給が必須となります。

この場合、強制的に栄養素を補給させるため、胃にチューブを入れる大がかりな治療となることも…。老齢の猫や、病気が進行してしまった猫には、体力的にも厳しい治療です。

猫の脂肪肝も、犬と同じように、食事のバランスに注意するといった予防が大切な病気です。