肝臓病になった犬猫のためのペット救急箱

ペットを肝臓病から守りたい!肝臓と上手につき合っていくための百科事典

肝臓病になった犬猫のためのペット救急箱 » 犬猫の肝臓疾患について » 肝硬変

肝硬変

ここでは、犬と猫の「肝硬変」について、わかりやすく解説します。

肝硬変とは?

肝硬変とは、たびたび炎症を起こした肝臓の繊維組織が、炎症部分を直そうと繰り返し修復した結果、かたく変化してしまった状態のことです。

犬と猫、どちらも肝硬変の症状や原因、治療方法は同じだといわれています。人間でも発症する、とても怖い病気のひとつです。

肝硬変になると?

肝硬変になると、生きていく上で大切な役割をしている肝臓の機能が、急激に低下します。その結果、他の疾患を引き起こしてしまうのです。

初期だと、下痢や便秘といった消化器官のトラブル、食欲不振による体重減少が見られます。病状が進行するにつれて、黄疸・腹水などの症状があらわれ、末期になると死にいたるケースも…。

そもそも肝臓は、自己治癒力がとても優れている臓器です。
しかし、正常な細胞が破壊されつづけ、自己再生機能細胞による修復が間にあわなくなり、破壊された細胞が繊維化してしまいます。

肝硬変を予防するには、慢性肝炎の予防・治療が一番大切です。

肝硬変の原因は?

犬や猫の肝臓は、人間と同様に生命活動に必要なエネルギーづくりに関与している臓器です。そんな肝臓の病気である「肝硬変」は、犬や猫にとって命を脅かす危険な病気。一度、なってしまうと完治は見込めないと言われています。

肝硬変になるもっとも大きな原因は「慢性肝炎」と呼ばれる症状です。慢性肝炎は、肝不全や肥満、肝腫瘍、胆管結石、胆汁うっ滞などによって発症することもあれば、ウイルスやストレスによって引き起こされるケースも。

肝臓は本来、再生能力が高い臓器で、大部分が切除されたとしても8週間ほどで元の大きさに戻ります。肝細胞が生き続けている限り、肝機能は正常に保たれるのです。

しかし、肝炎によるダメージをずっと受け続けると、肝細胞は少しずつ破壊されていき、再生能力も追いつかなくなります。そんな状況では肝臓の修復ができず、破壊された肝細胞が繊維化することで硬くなるのです。それが肝硬変を発症してしまう原因になります。

また、肝細胞が大量に死んでしまう特発性の肝硬変になることも。これは原因不明で、普段から気をつけていても防ぎようがありません。

では、ペットがもし肝硬変になってしまったとき、どのような治療をするのがベストなのでしょうか。肝硬変が疑われる場合、「確定診断」と呼ばれる検査を行い、それぞれの個体にあわせた治療方法を考える必要があります。

治療方法は?

さまざまな検査を行った結果、肝硬変と診断されると、ペットの状態にあわせて治療方針を決めていきます。主な治療方法は、薬物療法・食事療法・腹水を抜くなどです。

薬物療法

肝硬変の原因を突き止めたうえで、獣医さんの判断によりさまざまな薬物を投与することがあります。肝機能を改善させるチオラやラエンネック、鎮痛剤や抗生剤、食欲増進剤などです。犬や猫たちの苦痛を和らげてくれます。

しかし、肝硬変が悪化して肝機能のはたらきが20%以下になる「肝不全」まで進行してしまった場合は、完治するのは難しいでしょう。症状を軽減させることを目的とした対症療法が中心になります。

腹水を抜く

肝硬変では、腹腔内に体液が漏れだす「腹水」が起こることも。腹水は犬や猫にとって苦しい症状です。一刻も早く症状を軽減するために利尿剤を与えて水分の排出を促したり、お腹に注射針を刺して直接水分を吸い取る腹水穿刺をしたりします。

食事療法

食事は肝臓に負担をかけない消化の良いものを1日数回にわけ、少しずつ与えてください。肝性脳症や腹といった肝不全症状を起こりやすくなっていますので、食塩やたんぱく質などの食事制限にも気をつけましょう。それぞれの状態に合わせて摂るべき栄養素が変わってくるため、細かい栄養素に関しては獣医さんに相談してください。

ペットの肝硬変は、原因が特定できないことも多く、生涯にわたって治療をしていくのも珍しいことではありません。わたしたち飼い主も、愛するペットと一緒に闘っていく覚悟が必要です。