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犬猫の糖尿病について

このページでは、犬と猫の「糖尿病」の症状や原因、治療法を解説します。

犬の糖尿病の原因・症状について
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猫の糖尿病の原因・症状について
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犬の糖尿病の原因・症状

人間と同じように、ペットも生活習慣が乱れていると、糖尿病になってしまいます。特に、人間にあわせた生活をしていると要注意。

犬の糖尿病は、2種類あります。タイプによって治療法も変わるので、まずは原因を解明するようにしましょう。

【インスリン依存性糖尿病】

インスリン依存性糖尿病は、本来、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンが、なんらかの原因により分泌されなくなると発症します。

インスリンは、血液のなかにある糖分を、細胞が吸収するときに大切な役割をはたすホルモンです。不足すると、血中が糖分過多となってしまい、糖尿病を引き起こします。

インスリン依存性糖尿病は、肥満・遺伝・感染・免疫介在性膵炎など、複数の原因によって発症すると考えられていますが、犬が罹患してしまう決定的な原因は、いまだに解明されていません。

一般的に犬の糖尿病ではこちらのインスリン依存性糖尿病が大半を占めており、全体の80%ほどにもなります。

原因ははっきりしていない部分が大きいのですが、考えられる原因についてご紹介しましょう。

  • 肥満によるもの

一度に大量の食事を取ったり、早食いの癖がついていると食事をするたびに血糖値が急上昇します。すると徐々に血糖を取り込む作用が鈍くなり、うまく血糖値を下げることが難しくなってしまうのです。

犬が早食いしていることに気づいた場合、餌を小分けにして出したり早食いしないための対策を取り入れてみましょう。また、日常的に与えている餌の量が多すぎないかもチェックしてみてくださいね。

肥満体型は糖尿病のリスクと深く関わってきます。

普段から糖質の高いおやつ類ばかりを与えていたり、脂肪類の多い食事をとらせている場合は注意が必要です。野菜類も積極的に取り入れるようにしましょう。

  • 年齢によるもの

年を取った犬ほど糖尿病にかかりやすくなります。特に6歳以上になると糖尿病の発症リスクが高くなるので注意しましょう。生きているだけで消費される基礎代謝と呼ばれるものが老化によって、低下することが深く関係しています。

基礎代謝とは眠っているときでさえ使われるエネルギーでもあるので、基礎代謝が低下すると消費される総合的なエネルギーの量も低下してしまうのです。

若い頃と同じようにカロリーの高い食生活を送らせていたりすると、気づかないうちにエネルギー過多の状態になり、糖尿病の大きな原因である肥満に繋がることもあります。

  • 犬種によるもの

糖尿病を発症しやすい犬種がいます。例えば、トイプードルやダックスフント、プードル、ミニチュアシュナウザー、ジャーマンシェパード、レトリーバー種、マルチーズ、ビーグル、テリアなどは特に注意しましょう。

こちらの場合も高齢になるほどリスクが上がります。一般的には小型犬に発症する可能性が高いです。大型犬が発症する可能性は低いとされていますが、それでもゼロではありません。

また、ご紹介した犬種に該当するからといって必要以上に心配することはありません。確かに犬種も関係がありますが、これに加えて肥満などの要因が重なった場合に糖尿病になりやすいといえるでしょう。

  • 性別によるもの

糖尿病になる確率はオス犬に比べ、メス犬の方が2倍も多く発症します。更にここに高齢の問題が加わると4.5倍も多く発症すると言われているのです。

メス犬が糖尿病にかかりやすい大きな理由として挙げられるのが女性ホルモンの影響によるもの。まだはっきりとした原因は分かっていないのですが、メスを飼っている方は注意しておきましょう。

  • 遺伝的要因によるもの

犬の糖尿病はまだ原因がはっきりと解明されていないのですが、遺伝も要因の一つとされています。飼っているペットの両親、または親のうちどちらかに糖尿病があった場合は注意深く体調を確認してあげてくださいね。

  • 先天性な原因によるもの

もともとインスリンを作る働きを持った膵臓の機能がうまく働いておらず、これが原因で糖尿病になる場合もあります。糖尿病はなかなか気づきにくいので症状が出てから慌てて治療を検討しがちですが、普段から食事内容に注意したり健康管理を心がけていくことが大切です。

【インスリン非依存性糖尿病】

インスリンの分泌が不十分となるインスリン依存性糖尿病に対し、インスリン非依存性糖尿病は、インスリンが分泌されているにもかかわらず発症してしまう糖尿病です。

インスリン依存性糖尿病と比べると、罹患率・発症率はかなり低いといわれています。

こちらの原因もまだはっきりわかっていませんが、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣が大きく関係していると言われています。

  • 避妊手術していないメス犬は注意

こちらは避妊していないメス犬が発症しやすいタイプの糖尿病です。

また、原因ははっきりわかっていないものの黄体ホルモンが上昇している時期に一時的にインスリン非依存性糖尿病の症状が発症するメス犬もいます。

犬の糖尿病の発症率はそれほど高くありません。だいたい200頭に1頭とされており、一つの動物病院でも糖尿病によって通院している犬は1~2頭程度と言われているのでペットに何か異常があってもすぐに糖尿病を思いつく方は少ないでしょう。

ご紹介する症状なども参考にしながら糖尿病の疑いがある場合は病院を受診してみてくださいね。

犬が糖尿病になったときの症状

  • 食事の量が増える
  • 大量に水を飲む
  • 体重が減る
  • 排尿量・回数が増える
  • 肝臓(腹部)が膨張する

悪化すると、白内障や糖尿病性ケトアシドーシスとなることもあるので、注意してくださいね。

糖尿病の治療【犬編】

インスリン非依存性糖尿病は一時的な病気ですが、犬がインスリン依存性糖尿病になってしまった場合は、インスリン注射をする必要があります。しかし、インスリン注射をしてもインスリン依存性糖尿病は完治しないので、一生涯注射を打ちつづける必要が…。

注射効果を高めるために、肥満の改善・避妊手術・感染症の治療など、ほかの基礎疾患も治療していきます。あわせて食事療法や、適度な運動も必要。なお、糖尿病性ケトアシドーシスを併発していると、生命に危険がおよぶため、入院治療が必要となります。

これらの治療は犬にとって体力的にも精神的にも、かなりの負担となるでしょう。また、飼い主さんにとっても、治療費や介護の負担が大きくなります。糖尿病にかからないように、ふだんからの健康管理・食事管理がとても重要です。

猫の糖尿病の原因・症状

猫は、犬よりも太りやすい品種が多いので、より糖尿病に注意が必要です。

主な糖尿病の原因は、過食だといわれています。食べすぎることで細胞のインスリン反応が鈍化し、血の中から糖分が減らない状態に…。そのため血糖値が高いままとなり、糖尿病を発症してしまいます。

また、加齢によって発症しやすいのも、猫の特徴です。10歳以上の猫は、基礎代謝が減退して発症しやすくなるため、高齢の猫を飼っている方は、特に注意してください。

そのほか、先天的・遺伝的な要因や、副腎皮質ステロイド、黄体ホルモン、利尿薬、心臓の薬などの投薬も原因となります。

猫が糖尿病になったときの症状

  • 水を飲む回数が増えた
  • 1回の排尿量がやたら多い
  • 食欲がある・多く食べているのに体重が増えない

症状が進行すると神経系にも影響が出はじめ、かかとをついたまま歩くといった異常歩行をするようになります。また、感染症にもかかりやすくなるため、皮ふ炎や細菌性の膀胱炎などに罹患しやすくなることも。

さらに悪化すると、食欲の減退・体重の減少のほか、吐いたり下痢をしたりするほか、意識障害を起こしてふらつきはじめるなど、明らかにおかしいとわかる症状が出ます。ここまでくると、糖尿病にかなり侵されてしまっていると考えてください。糖尿病末期になると、昏睡状態に陥って命を落とすこともあります。

糖尿病の治療法【猫編】

猫の糖尿病も犬と同じように、インスリン依存性糖尿病とインスリン非依存性糖尿病の2つの種類が存在します。

インスリン依存型糖尿病の原因は、インスリンを分泌する組織がアミロイドーシスや慢性膵炎、遺伝的素因などによって破壊されることでインスリンを十分に生成できなくなること。

インスリン非依存型糖尿病の原因は、肥満・運動不足・ストレスなどの環境要因をはじめ、副腎皮質機能亢進症や慢性的な炎症性疾患などによって引き起こされるといわれています。

猫の場合、インスリン依存型糖尿病の治療は、血糖値をコントロールする方法が一般的です。

適量のインスリンを毎日投与し、細胞内にブドウ糖を取り込ませることで、血糖値を正常な値に導きます。あわせて、急激に血糖値が上昇して悪影響を与えないよう、食事療法や経口血糖降下剤などが用いられるケースも。

インスリン非依存型糖尿病の治療では、インスリンの注射が不要なケースもあります。それは、病気や肥満、ストレスなどの原因を取り除くことによって、血糖値が改善した場合です。

それでも効果があらわれなければ、インスリン注射での治療となります。

大切なのは日ごろのケア

犬のケースでも、猫のケースでも、日ごろからペットたちの肥満やストレスを予防することが、最大の治療法となります。

適度な運動と、負担のかからない生活環境を整えることはもちろん、食生活の管理も大切なポイントです。
犬や猫のからだに負担がかからない食事にしつつ、からだによい成分は積極的に与えるようにしましょう。ペット用のサプリなどを上手に使うと、誰でも簡単に健康管理ができるのでおすすめです。

また、体調がおかしいと感じたら、すぐにでも動物病院で検査をうけ、糖尿病を早期発見してあげることを心がけてくださいね。